2009年4月13日月曜日

・北の最終決戦

第107回 パリ~ルーベ 259km
優勝 トム・ボーネン
 (Bel,QST) 6h15'53" (42.343km/h)
2位 F.ポッツァート  (Ita,KAT)    +47"
3位 T.フースホフト  (Nor,CTT)   +1'17"
4位 L.ホステ      (Bel,SIL)
5位 J.ヴァンスーメレン (Bel,SIL)  +1'22"
6位 J.A.フレチャ    (Spa,RAB) +2'14"

心配された雨は降らず 曇り空のレースとなりました
北のクラシックでは よく レーススタートの時点で
すでに優勝候補は10人前後に絞られている なんて言ったりしますが 
今回は上の6人がその人たちでした

このレースでは 登場するパヴェ(石畳)区間が
フランスらしく ☆の数で格付けされているのですが
全27区間の内 最難易度の☆☆☆☆☆は3区間あり
今回は見事にその3区間で勝負が決しました

まずは163km地点の「Trouée d’Arenberg」2400m
森の中を貫く細き一本道の 悪名高き"アランベール"
ここでは集団の中ほどで 大落車が発生したせいで
あっという間にメイン集団は30人ほどに縮小し
その後の横風区間でのペースアップもあって
力なき者や 運なき者は この時点で脱落

次に現れたのは 210km地点の「Mons-en-Pévèle」3000m
長く続く"モン・アン・ペヴェル"では 何も起こらないかに見えましたが
パヴェが終わる少し前に仕掛けたのは 優勝候補筆頭のボーネンでした
一気にスピードアップしたこの動きに 最終的に付くことができたのは
ポッツァート フースホフト ホステ ヴァンスーメレン フレチャだけ
先週のフランドルでのツキイチで 好感度ガタ落ちだったポッツァートも
ここは先頭交代に加わり この時点での6名の利害が一致したことで
グングンと後続との差を広げ 優勝の行方はこの6名に絞られました
 
そして運命の最終決戦は 242km地点の「Carrefour de l’Arbre」2100m
最後の五つ星"カルフール・ダルブル"の入り口で
フースホフトがアタックを仕掛けると ボーネンがすぐに反応
その後方のコーナーで フレチャが落車してしまうと
これにSILの2人 ホステとヴァンスーメレンも巻き込まれて脱落

これをなんとかかわしたポッツァートは 前の2人を懸命に追う
すると今度はボーネンが先頭に立ちペースを上げる
完全にコースにはみ出した観客で沿道は埋め尽くされている
そんな視界の狭まった状況の中 今度はフースホフトが
オーバースピードでコーナーに突っ込み落車してしまう
ライバル達が次々と脱落していく中 たった1人残ったのはボーネン
そのすぐ後をポッツァートが追う展開に



まるでドラマの台本のように
先週フランドルで牽制しあっていた2人の一騎打ちに
しかし逃げるボーネンと 追うポッツァートには 大きな差が…
フラマン応援団の大声援を受けるボーネンに対して
逆に大ブーイングを浴びせられたポッツァート
一時は数秒差まで縮んだ差も 残り5kmぐらいから開きはじめ
ゴール地点のヴェロドローム(自転車競技場)に先頭で入ってきたのは
昨年の覇者 ゼッケン1番 トム・ボーネンでした
ボーネンは2005年と合わせて3度目のパリ~ルーベ制覇となりました

終わってみれば 強かったボーネン 強かったクイックステップ
シャヴァネル トザット ウェイラント ウェイナンツ
素晴らしいアシストたちの働きのおかげで勝利できたことは
言うまでもありませんが パヴェでの走りは他を圧倒していました

ピッポは移籍するチームを間違えたかな(笑)
でも今回の走りで好感度もある程度回復したでしょうか?
まあフラマン人たちには永遠に受け入れられないでしょうが…

さて これで北のクラシック3連戦は終了
来週からのアルデンヌクラシックへと舞台は移ります
別府史之はアランベールでの落車に巻き込まれてDNF
アルデンヌでの活躍に期待しています!

あとちょっと気になったボーネンの自転車
フロントフォークとシートステーが特殊形状になってます
やはりクイックステップはスペシャライズドの
文字通りスペシャルバイクでこのタイトルを勝ち取ったようです

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